「この先どうしたらいいのか、わからなくて…」― 塾から帰ってきた子供を見て、そんなふうに思うことはありませんか? 帰宅してからも机に向かっているので宿題はやっているようだし、特に勉強に対して不平不満も言わない。けれど、いっこうに成績が伸びていかない…そういった状態が続いている場合は、注意が必要です。まじめに塾に通い、家での学習もしているのに、成績に反映されていかないというのは、やはりそこには何か保護者が知らない問題を子供が抱えている可能性があります。
シリーズの第3回目は、転塾に際して子供に対する保護者の向き合い方について、お話ししていきます。
子供の状態を、どこまで理解できていますか?
塾にきちんと通い、家で勉強もしているのに成績が上がらないという場合、その多くは、塾の授業についていけていないという状態にあると考えられます。
実は大手の有名塾の場合、成績が伸びていくのは上位の1~2割程の子供だけであり、残りの8割以上の子供たちは成績が上がらなくてもそのまま放置されています。
なぜそうなるのでしょうか?その理由は2つあります。ひとつはそういった大手塾の場合、「有名中学に何人合格できたか」という合格者数が重視されるため、全体としての成績アップは二の次にされてしまうからです。さらに、トップ校を目指すための学習システムを基本に組まれているため、子供一人一人の状態に合わせた対応がされないというのがふたつ目の理由です。
一方、塾の授業についていけない子供は、それでもなんとか頑張ろうとしますが、「基礎が理解できていない」上に「しっかり復讐ができない」状態では、いくら塾の授業や宿題にチャレンジしても何も身につかないということになります。
このように、保護者がちゃんと理解していないところで、子供は悩んでいるのかもしれないのです。
塾に預けっぱなしにしていませんか?
何度も言いますが、塾に行ってくれさえすれば成績は上がるというのは、幻想でしかありません。
保護者としては、「大手の塾だから安心」「有名な塾だから良いはず」と考えがちですが、そこには大きな勘違いがあります。そして、その勘違いが子供にとっては負担になる場合があるのです。親の目的のために「子供に塾を押し付けているだけ」という状態です。
子供のために良かれと思って塾に通わせ、自分も張り切っているつもりなのに思うようにならない、成績が上がっていかないということは、親の気持ちと子供の気持ちにギャップが生じている証拠です。
子供の気持ちも理解しようとせず、ただ塾に預けっぱなしにしているのでは、何も良いことはありません。「この先どうしたらいいのか、わからなくて…」と悩むのではなく、子供と一度じっくり話し合ってみることが何よりも大切です。
塾を嫌いだという子供は普通あまりいないのですが、本当は親の期待に応えようとして無理をしているのかもしれないからです。
自分の子供の頃を思い返してみるのも必要です
このように、塾通いをしているにもかかわらず成績が伸びていかないのは、保護者の過剰な期待が子供に重くのしかかり、足枷になっていることがひとつの原因として考えられます。
そういった状態から子供を開放してあげるためにも、じっくりと話し合ってみることが必要なわけですが、親からある日突然、「今の塾はどう?」と聞かれても子供は戸惑うばかりです。
そういう場合の話のキッカケとして、自分の子供時代を振り返ることからはじめてみてはどうでしょうか?
塾通いの経験のある保護者の方も多いと思いますが、自分が塾に通っていた時、どんな気持ちだったのかを話してあげるのです。また、塾通いの経験のない保護者の方でも、どういう気持ちで日々の勉強に自分は臨んでいたのかを思い起こして話してあげてください。
「私があなたくらいの歳の時にはね…」と自分が子供時代に感じていたことを話してあげることで、子供もきっと心を開いてくれるはずです。
子供の気持ちを理解したうえで、転塾先を選ぶことが必要
子供の成績が伸びないのは、塾だけが原因でないことは理解いただけたと思いますが、では転塾先を選ぶ時、どういった基準で選べば良いのでしょうか?
それは、ひと言でいうならば「子供の状態に合った塾」を選ぶということです。そしてその前提として、保護者が子供の気持ちをちゃんと理解しているかどうかが重要になります。じっくりと話し合うことをお勧めしているのは、そういった理由があるからなのです。
ただ、「子供の状態にあった塾」を探すというのは、とても大変なことです。仮に体験授業を受けたとしても、本当にその塾があっているかどうかの判断は難しい。だとしたら、逆転の発想をして「子供の状態に合わせてくれる塾」を探すという選択肢を取ることです。
前回、【こだわり進学塾なかざわ】では入塾時の面談を重視し、そこで把握した子供の状態に合わせた学習法を考えるとお話ししましたが、その一例をご紹介します。
当塾に通いはじめると、よく「宿題を出さないんですか?」と問い合わせてくる保護者の方がいます。転塾して、子供が家で勉強しなくなることに不安を感じるのだと思いますが、実はそれも「子供の状態に合わせた」学習法のひとつなのです。まずは先生の話を聞くことができ、授業内容を理解するところから始めているため、無理に勉強を強いることはしていないからです。
もちろん最初は心配になるかもしれませんが、子供の表情を良く観察してみてください。転塾して、表情が明るくなりイキイキして来たら、勉強に対する向き合い方もきっと変わっていくことでしょう。「子供の状態に合わせた」学習法とは、そういうところにも表れてくるのです。
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No.4では、一般的な塾学習における「落とし穴」についてお話しします。塾における学習システムの本質を理解しないまま塾に通い続けることによって、子供たちは「つぶれた状態」や「まがった状態」になりかねません。そうなる前に手を打ち、真に子供たちのためになる転塾を考えていきたいと思います。
例えば…
・放って置くと子供の状態は大変なことに
・塾側が大切にしているのは、成績上位の子供のみ
・知識を詰め込むことが中心の塾学習…
などなど。
ぜひご一読ください!